初心者向け ドローンの基本操作と練習方法
この記事では、初めてドローンをはじめる方向けの基本操作方法と上達していく為の練習方法を解説していきます。
ドローンを操縦するのに免許は必要?
2022年11月13日現在、ドローンを操縦するにあたって所有が義務付けられている資格・免許はありません。
ただし、2022年12月5日より航空法一部改定により無人航空機(ドローン)の国家資格ができる予定です。
しかし、国家資格が施行された後でもドローンに関する法規制を守って運用すれば、無資格・無免許であろうと誰でも操作することができます。
現在は、民間のドローンスクールが独自に設けている認定資格があり、取得した資格の証明書があれば、飛行許可申請の簡略化ができたり、今後できる国家資格の講習の受講において経験者として受講できたりします。(経験者だと受講時間が減るなどメリットがあります。)
ドローンを飛ばす前に確認すべきこと
バッテリーの確認
ドローンの動力であるバッテリーの状態を確認しましょう。
充電がされているかも確認するべきですが、バッテリーの電圧値が安定しているかが重要になります。
ドローンに使われているバッテリーは「リポバッテリー」という種類で、過充電や過放電(充電のし過ぎや充電せずに放置しすぎること)に弱い為、適切に電圧を管理しなくてはいけません。しないと、ドローンが上手く作動せず、急に墜落する原因にもなりますので注意が必要です。
バッテリーは「セル」と呼ばれる単位で容量が機種によって様々ですが複数に分かれています。
状態の良いバッテリーは各セルの電圧値が均一なのですが、1セルでも電圧値に開きがあるものがあると、バッテリーの劣化を早める原因になったり、前述した上手く作動せずに急に墜落こともあります。
バッテリーは消費物なので劣化していくのは仕方がないのですが、少しでも長い間使用するためにも管理を怠らないようにしましょう。
通信状況の確認
ドローンは送信機から指示(電波)を受信して動きます。そのため、通信状態が悪いと正常に飛行することができません。
他にもGNSS(GPSなど)の受信状況が悪いと位置情報がわからなくなるため、飛行が不安定になり、風に流されたりして操縦するのが困難になる可能性があります。
電波塔や鉄製・金属製の建物が近くにあると起こりやすい為、離れて飛行するようにしましょう。
センサの確認
ドローンには多くのセンサが搭載されているのですが、特に障害物検知のセンサの設定がどうなっているのかは飛行させる前に確認しておきましょう。
障害物センサの状態には、3つあります。「迂回」「ブレーキ」「オフ」です。
基本的には、「迂回」か「ブレーキ」に設定しているが安全上いいです。仕方なく「オフ」で操縦する場合は周りに気をつけて操縦していただくことと、使用後は「迂回」か「ブレーキ」に設定するようにしましょう。
「オフ」にしていることに気づかず操縦するのは、もしものことを考えたときに危ないので飛行前に確認しましょう。
緊急時に可動する機能設定の確認
ドローンと送信機の受信が切れた場合など緊急時に可動する「フェイルセーフ」と呼ばれる機能の設定状態の確認を行います。
「フェイルセーフ」には3種類選択でき、「リターントゥホーム」「着陸」「ホバリング」から選択します。この機能の選択はこれにしとけば良いというものはなく、飛ばす環境に合わせる必要があります。たとえば、「リターントゥホーム」だと周りに建物がない方が好ましいですし、「着陸」は周りに人が少なく着陸しても問題ない場合が好ましいですし、「ホバリング」はその場から移動させるのは危ない場合がいいなどがあり、その都度変更して周りにそして自身にも被害が少なくなる選択をしましょう。
操作モードの確認
ドローンの送信機の操作方法は、一般的に「モード1」「モード2」があります。
所有者本人しか触っていないのであれば気にする必要もあまりないのですが、友達に貸したり、試しにいつもとは違うモードで操作してみたりすると、次飛ばす際にモードを戻すのを忘れており操縦ミスを起こす可能性があるため、飛行前は確認しましょう。
飛行モードの確認
ドローンにはフライトモードと呼ばれるものがあります。簡単にいうと最大飛行速度に差があり、操縦感覚も変わります。自転車で言うギアといった方がわかりやすいかと思います。DJIの最新の機体でできるモードは3種類で、Sモード(スポーツ)Nモード(ノーマル)Cモード(シネマティック)があります。S>N>Cの順番に最大飛行速度が速いです。
Sモードを使う場合気をつけることがあります。Sモードにすると障害物センサがOFFになるためGPSは働いているものの急には止まることができないので注意が必要です。
基本的には、Nモードに設定していればいいです。
周りの確認
離陸時、着陸時には近くに人・建物・車がないか確認を行います。
ドローンのプロペラは高速回転しており、飛行中のドローンに人がぶつかれば手指を切断する危険性があるため、確実に近くに人・建物・車がいないことを確認してから離陸・着陸を行います。
ドローンの基本的な操作方法
モード1を基準に解説します。
起動方法
まず、モーターを起動させプロペラを回転させます。
モーターを起動させる方法は、左右のスティックを「ハの字」もしくは「くの字」に倒すことで起動させます。
飛行中行うと強制的にモーターを止めることになり、落下してしまうので注意が必要です。
上昇方法
右スティックを上に傾けると上昇していきます。ゆっくり傾けるようにしましょう。
前後左右移動方法
前後に水平移動したい時は左スティックを上下に、左右に水平移動させたい時は右スティックを左右に倒します。
回転方法
左スティックを右へ倒すと機体は右を向き、左へ倒すと左を向きます。
下降方法
右スティックを下に傾けると下降していきます。ゆっくり傾けるようにしましょう。
着陸方法
右スティックをゆっくりとした方向へ倒し、機体を地面まで下降させます。
機体によっては着陸すると自動的にモーターがオフになるドローンもありますが、中には着陸後も回り続けるドローンもあります。その場合、プロペラが止まるまで、右スティックを完全に下に傾け続けます。
ドローンの基本的な練習方法
離陸・着陸地点を作り、コーンやマーカーを四隅に置く形で四角形をつくると練習がしやすくなります。
離陸・着陸
左右のスティックを「ハの字」または「逆ハの字」に倒してモーターを始動
↓
右のスティックを中立地点より上にあげて離陸させる
↓
右のスティックを中立地点よりゆっくりと下に下げて着陸させる
↓
ドローンが地面についたらプロペラを停止するまで右のスティックを一番下まで下げ続ける
ホバリング
目線の高さまで上昇させる
↓
上昇させた高さ・場所で移動しないようキープする
↓
1分間以上はその場にキープできる様にしましょう
↓
着陸させる
左右移動
目線の高さまで上昇させる
↓
右に移動しホバリング、左に移動しホバリング
↓
前後にずれないように必要に応じて前後のスティックを入れます
↓
離陸地点まで移動し着陸させる
前後移動
目線の高さまで上昇させる
↓
前に移動しホバリング、後ろに移動しホバリング
↓
左右にずれないように必要に応じて左右のスティックを入れます
↓
離陸地点まで移動し着陸させる
斜め移動
目線の高さまで上昇させる
↓
右手前のコーンまで移動する
↓
モード1の場合、前進と左へのスティック入力を行い、左奥のコーンまで移動する
このとき、四角の真ん中にコーンを置いておくと綺麗に移動できているかわかりやすいです。
↓
モード1の場合、後進と右へのスティック入力を行い、右手前のコーンまで移動する
↓
左手前と右奥を往復するパターンも行う
↓
離陸地点まで移動し着陸させる
四角移動
目線の高さまで上昇させる
↓
右手前のコーンまで移動する
↓
右奥のコーンまで前進する
↓
左奥のコーンまで左に移動する
↓
左手前のコーンまで後進する
↓
右手前のコーンまで右に移動する
↓
離陸地点まで移動し着陸させる
四方向ホバリング
目線の高さまで上昇させる
↓
正面に向いた状態で一分間ホバリング
↓
右に向いた状態で一分間ホバリング
↓
対面に向いた状態で一分間ホバリング
↓
左に向いた状態で一分間ホバリング
↓
離陸地点まで移動し着陸させる
円移動
目線の高さまで上昇させる
↓
円状に二周移動する
↓
離陸地点まで移動し着陸させる
八の字飛行
目線の高さまで上昇させる
↓
進行方向に常にドローンの正面が向くように回転も行いながら八の字状に一周移動する
↓
離陸地点まで移動し着陸させる
ドローン操縦の上達のコツ
上達していくには、操縦し続けることだと思います。
期間が空いてしまうと操縦方法を忘れていたり、操縦感覚が鈍っていることがよくあります。
操縦技術の維持には最低週に一回は触っていただきたいと思います。上達していくにはそれ以上触っていただけたらと思います。
練習の方法はトイドローンを飛ばすのでもいいので、スキマ時間を活用して練習していただけたらいいと思います。
操作のコツは、「ゆっくり」操作することです。
急激にスティックを倒すと想像以上のスピードでドローンが動いてしまい、上手く制御できなくなってしまうことがありますので、ゆっくり動かしましょう。
慣れてきたら、少しづつ速くしてみてもいいでしょう。
申請無しでできる練習場所
外に出ることがない状態(ドアや窓を閉めた状態)の室内であれば航空法に該当しない為、飛行申請を行わずに飛行させることができます。
費用はかかりますが、体育館などを借りることができれば広い場所で練習も可能になります。(体育館の所有者がドローンの飛行を許可しない場合もあります)
ドローンのシュミレーターを使った練習もおすすめです。どこでも簡単にできるところがいいですね。最近では無料のアプリ・ソフトもあるのでぜひお探しください。
外で飛ばす場合は、以下条件に該当しない場所・方法であれば基本的には飛行申請なしで飛ばすことができます。ただし、ドローンを飛ばすには航空法以外にも民法や交通法など守るべきことがあるので遵守しながら飛行させましょう。
まとめ
ドローンは飛行できる場所が限られており、付近に練習場がなければ頻繁にドローンの操縦練習を行うことが難しくなりますが、シュミレーターやトイドローンを使って室内での練習など工夫をして練習を行っていただけたらと思います。